二人きりの時間を楽しめる寝台車

夫婦の数だけ生き方があるように、旅の形もさまざまです。目的地を決めて行く旅もいいけれど、乗りたい列車を先に決める旅もまた楽しいもの。一緒に歩いてきた二人だからこそできる気ままな寝台車の旅。すべてをリセットし新たな関係を築くことができます。

二人で立てる計画こそ旅の醍醐味

計画を立てるときからが旅の始まりです。どんな列車に乗りたいかトラベル雑誌をみたり、インターネットで調べたり、二人でいろいろ話し合う時間。これがまたメチャクチャ楽しいのです。
車両図鑑を見ているだけでワクワク感が止まらない。列車の色も形も格好いい。豪華寝台のすごいこと!ドアを開けるとお洒落な客室が目に飛び込んできます。

切符購入の知恵

乗りたい寝台車は決まっても、果たして切符は手に入るだろうか?この問題が目の前に大きく立ちはだかります。二人で日程調整はしてみたものの、不安がよぎります。
せっかく決めた日程だから、客室のランクを下げても旅行を進めるか、乗りたい客室が取れなかったら中止にするか決断を迫られます。
乗車1カ月前の10時に、みどりの窓口に並んでも超人気列車の切符はまず買えません。列車によってはツアーに組み込まれているものもありますが、できれば二人で旅程を全部決めたい。そうなるとJRの駅で予約表を預けられるところを見つけるしかありません。いわゆる「10時打ち」です。
4~5駅見つければ、出発日1か月前になったら早朝に二人で分担して駅を回ることができます。1番で予約表だけ渡したいから早起きして一番電車で出かけます。渡してしまえば10時ジャストに駅員さんがコンピュータを叩いてくれるのを待つだけです。あとは彼らの手の速さだけが頼りとなります。

特別なホーム

無事に取れた切符を大切にしまいこみ、ルンルン気分で家を出ます。上野駅だと13番線が二人にとっては特別なホームになります。入線時間が待ち遠しくて、今か今かと寝台列車が入ってくるのを待ちます。
なかなか逢えない恋人を待つかのように切ない気持ちで胸が張り裂けそう。その時が最高に幸せな時間を過ごしているのかもしれません。
ホームは「撮り鉄」で人だかり。三脚やデジカメを持った人が列車を待っています。入線時間が近づき、アナウンスが聞こえると、前の人の頭が邪魔にならないように身を乗り出して列車の来る方を見つめます。「来た!来た!」
待ちに待った列車の到着です。夫婦の旅を盛り上げてくれる寝台車。まわりの人だかりを優越感に浸りながら列車の中に消えていく二人。これから始まることに胸を躍らせながら自分たちの部屋を目指して通路を歩いて行きましょう。

計画を立て切符を買ってと、他愛のないことのように見えるかもしれないですが、これが旅の原点です。同じ目的に向かって歩くことがとても新鮮に思えればしめたもの。二人は昔の夫婦に戻れます。